「こたつにみかん」の絶妙な関係

日本の家族だんらんの代名詞、「こたつにみかん」。古くからドラマや映画などのワンシーンでもよく見かけますよね。
実際にこたつの上にみかんを置いてみると、ついつい暖を取りながら手を伸ばしているうちに、あっという間になくなってしまうなんてことも。
そんなこたつとみかんが、実は様々な理由から絶妙な関係にあるということを、皆さんは知っていましたか。
今回はそんな両者の関係の真相にせまります。
旬と用途の絶妙なシンクロ
現代では一年中市場に出回っているみかんですが、スーパーでよく売られている「温州みかん」の収穫がもっとも多いのは1月頃です。
同品種の収穫は早いもので秋頃からはじまりますが、気温のぐっと冷え込む年末から2月頃の、ちょうど年間で最も寒い時期に獲れたみかんこそが、一番糖度が高く、おいしいのだそう。
つまり、“日本人が家の中で暖をとることを考えはじめ、こたつを出し始める季節に、みかんの最もおいしい時期がかぶる”という、まるで仕合わせたかのような奇遇な縁が両者の間には存在するのです。
また、みかんは、刃物を使わずに手でむいて食べられるという、数ある果物のなかでも稀な特徴を有しており、まさにテーブルの上に置いてTVを見ながらダラダラするためにあると言っても過言ではない、日本のリラックスタイムのこころ強い味方。
では、こたつは何のためにある道具でしょうか。
そうです。「その場を動かずにリラックスした状態で暖を取り、くつろぐため」なのです。
皆さまも、もう、おわかりかと思います。私たちが、「こたつ」といえば「みかん」を連想し、「みかん」といえば「こたつ」を、誰に教えられたわけでもなく連想してしまうそのわけを。
この世にこたつが産み出されたその瞬間から、みかんがその上に置かれることは決まっていたようなもの……。
かねてより、我が国の先人達が、当然のようにこたつの上にみかんを置いて冬をしのいできたのは、偶然でなく必然だったのかもしれまん。
みかんは水分補給にうってつけ
こたつは、とても暖かく、冬場には欠かせない優れたリラックスグッズです。
しかし、実は、こたつで体温が上がることで自然に水分が蒸発していってしまうというリスクがあるのです。
人体の60%は水分でできています。こたつに入って体温が1度上がるごとに自然にかく汗の量は15~20%増えるそう。
秋に旬の柿と比べても、水分量はみかんの方が断トツ。また、カロリーもケーキと比べると10分の1ですから、こまめに取ることで、コタツでくつろぐ際の脱水症状に陥るリスクをぐっと減らすことができます。
とはいえ、やはり水分は水や白湯で取るのがベスト。コタツを使用する際には、みかんだけでなく、ぜひポットと湯のみをセットで用意することをオススメします。
みかんの効能がすごい!
こたつと相性の良いみかんですが、美容や健康のために気になるのは、栄養面などの効能。そして、これが実に素晴らしい。
ビタミンCがたっぷりのみかんですが、その含有量は、成人に必要な量の一日分が、たった2個で取れてしまうほど(※体格や年齢により個人差があります)。
また、ビタミンCには、風邪予防や・肌や粘膜を健康に保つ効果があるため、お肌の乾燥や感染症が気になる冬には、とても優れた栄養源となってくれます。
その他、疲労回復が期待できるクエン酸、ペクチンと呼ばれる水溶性の食物繊維も多く含まれているため、お通じを気にされる方にも嬉しいですね。
気温が低く、家に帰ればこたつに入る習慣によって活動量が減りがちな冬のシーズンはお通じが乱れやすく、汗をかかないことで代謝も落ちやすくなっているため、お肌のコンディションも悪くなりがちになっています。
こたつに入って動かない方こそ、積極的にいただくようにしてみてくださいね。

このように、「こたつでみかん」という日本では当たり前に見られる光景が、改めてその効果や意味を考えてみることで、とても理にかなっていることがわかりました。
こたつを使用しないお宅でも、暖房器具で暖をとることの多い冬には、みかんをいただくという古くから受け継がれてきた習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
とは言え、やはり果物ですので糖分は高めです。適度な量をいただくようにしてくださいね。